皆さんこんにちは!薔薇の水彩画家のYUKIです!
今回はWINSOR & NEWTON(以下W&N)の薔薇の香りがすると噂の「ローズマダージェニュイン」のレビューをしていこうと思います。
水彩絵の具で、薔薇の香りがするなんて、私のための絵の具なの??(違う)と思ってだいぶ前にテンション上がって買ったのですが、
どんな色なのか、なぜ薔薇の香りがするのか深掘りして調べていなかったので、レビューするにあたり改めて色々調べてみました。
実際にローズマダージェニュインを使用した作品例も載せたので、是非参考にしてくださいね~
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W&Nのローズマダージェニュインってどんな色?
W&Nローズマダーの基本スペック
ローズマダージェニュイン Rose Madder Genuine
- シリーズ番号:4
- 顔料:NR9(Natural Red 9)マダーレーキ
- 堅牢度:B(i)
- ASTM:Ⅱ
- 透明度:透明
- グラニュレーションカラー
- 色の偏り:寒色
ローズマダーってどんな色?
まずローズマダーのマダーとはなんぞやって感じなんですが、
「マダー」とは英語で「Madder」、これはセイヨウアカネの事です。
セイヨウアカネは日本のアカネと同じく、古くから赤色の染料として使われている植物です。
つまりセイヨウアカネの根で染めた濃い紫みの赤色の事をローズマダーと言うようです。
同じアカネの色素から作られる色では、茶系のブラウンマダーや
紫系のパープルマダー等の色もあります。
実は私、中学生の頃から「ローズマダー」の色が好きだったのに、「マダー」って何の事なのか今回調べて初めて知りました。爆
ジェニュインの意味は?
W&Nのローズマダーには「ジェニュイン」という言葉が付いています。
こちらも英語で「Genuine」という言葉で、「嘘偽りない」「本物の」という意味だそうです。
つまり、この絵の具は本物のセイヨウアカネを顔料にしていますよー!という意味なんですね。
カタログに記載してある顔料の記号もNR9(=Natural Red 9)という大変珍しいものになっています。
ローズマダーはW&Nの中では高めの絵の具だけど、天然のアカネ色の絵の具が千円くらいで買えると思うと安いくらいなんじゃないかしら?
代替色「パーマネントローズ」と比べてみた
W&Nのカタログにはローズマダーの代替色として「パーマネントローズ」が紹介されています。
これはローズマダージェニュインがW&Nのプロフェッショナル・ウォーターカラー(アーチスト・ウォーターカラー)の中でも
3色しか無い堅牢度がB等級(中程度の堅牢性)の絵の具の内のひとつなので、
堅牢度を重視した場合に代わりに使える堅牢度がA等級(優れた堅牢性)の色として「パーマネントローズ」が紹介されているのです。
そこで、パーマネントローズがローズマダージェニュインの代替色として有効か、
パーマネントローズとローズマダージェニュインでどのくらい色味が変わるのか実際に作品を描いて試してみました。
単色で比較してみる
まず、ローズマダージェニュインとパーマネントローズを単色で塗って比較してみました。
↓ローズマダージェニュイン↓
↓パーマネントローズ↓
ローズマダージェニュインもパーマネントローズも同じ紫みの赤なんですが、
こうやって並べてみると、結構違う色だなーと感じました。
パーマネントローズの方が、インクのマゼンダ!って感じのはっきりとした鮮やかな色です。
またパーマネントローズはステイニングカラーという紙に顔料が染み込みやすいタイプの絵の具なので、
なんとなく、しっかりと紙に定着している感じがします。
ローズマダージェニュインは、実際に塗ってみると落ち着いた赤紫色でした。
パーマネントローズのような鮮やかさは無いけれど、濁りの無い優しい綺麗な赤紫色です。
ローズマダージェニュインはグラニュレーションカラー(粒状化色)なので、ざらりとした質感も感じられます。
ローズマダーとローズピンクを使用した作品例
「パーマネントローズ」がW&Nの三原色のマゼンダにあたる絵の具なので、
他のW&Nの三原色の
「ウインザーレモン(Y)」と「ウインザーブルー(グリーンシェード)(C)」と合わせた3色のみを使用した作品と
「ローズマダージェニュイン」と「ウインザーレモン(Y)」と「ウインザーブルー(グリーンシェード)(C)」の3色のみを使用した作品を描いてみました。
紙はランプライトのスケブを使用しました。
↓ローズマダージェニュインを使用した作品↓
↓パーマネントローズを使用した作品↓
作品にしても、やっぱりパーマネントローズを使用した作品の方がピンクが鮮やかに出ています。
ローズマダージェニュインを使用した作品の方が、落ち着いた印象の作品になりました。
ただ、比べてみなければ違いが分からないほど、どちらの絵の具も綺麗なピンク色を出すことができるので、
カタログに記載されている通り、
パーマネントローズはローズマダージェニュインの代替色として有効だと個人的には感じました。
色味や質感の違いは好みになると思いますが、
原画販売する絵など絵の具の堅牢度が気になる場合は、
ローズマダージェニュインの使用を避けてパーマネントローズを使用しても問題は無いと思います。
本当に薔薇の香りはするのか
結論から言うと「うわぁ!薔薇の香り!」みたいな匂いはしないです。
私も最初薔薇の香りがする絵の具と聞いて、子供の頃に持ってた匂い付き消しゴムみたいに香料を混ぜ込んだ絵の具だと思っていました😂
実際は少し青っぽい匂いがするかな?どうかな?って感じです。
ネットではちゃんと薔薇の香りがする!と言っている方も多いので
私の鼻が悪いだけかもですが。。。
カタログに載っている含有科学成分にも「Lake of natural madder」としか無く、
どこにも薔薇の香料を入れているという記載は無いので、わざわざ薔薇の匂いをつけた絵の具という事では無いようです。
公式でも "植物の根から抽出した原料から作られる伝統的な顔料を用いているため、ほのかにバラのような香りがする”と描かれています。
きっと色のイメージと色の名前のイメージと天然顔料の自然な植物の香りが、薔薇の香りを連想させているのでしょう。
自然を感じる、とってもロマンティックな絵の具だと思います✨
おわりに
今回、薔薇の香りがするというキャッチコピーに惹かれてW&Nのローズマダージュニインのレビューをしようと決めたのですが、
調べて行く中でW&Nのローズマダージェニュインが天然のアカネ色素の絵の具だというコトを知り、ますます大好きな絵の具になりました!
天然のアカネ色素の絵の具ということは、絵を描きながら草木染めしているような感じになると思うとすごくステキじゃないですか?
この絵の具を使って何を描こうかアレコレ考えてワクワクしちゃいます✨
少しクセのある絵の具ではありますが、唯一無二のステキな絵の具だと思うので、是非試してみてくださいね!
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